鳥取市国府町ゆかりの万葉歌人、大伴家持を顕彰する公募短歌大会「第29回大伴家持大賞」(鳥取市主催、新日本海新聞社など共催)の各賞が15日、発表された。最高賞の大賞に一般の部は鳥取県岩美町銀山の山口茂樹さん(71)、児童生徒の部は鳥取市立醇風小2年の山根はるかさん(7)が輝いた。
大伴家持は、奈良時代に国守として因幡国に赴任中、万葉集に最後に収められた和歌を詠んだとされる。今大会は「家」がテーマで、一般の部は2086首、児童生徒の部は1644首の応募があった。
山口さんの受賞作「築百年の我が家のリフォーム終わる朝木立を越えて初つばめ来る」は、リフォームを終えたばかりの家につばめが入ってきた瞬間を切り取った。山根さんは、夏休みに出合ったオオサンショウウオの迫力をみずみずしい感性で表現。「岩の家オオサンショウウオどはくりょくわたしくらいの体ゆらして」と詠んだ。
最終審査会は14日、鳥取市の新日本海新聞社であり、歌人の佐佐木幸綱さん(84)、小島ゆかりさん(67)、県歌人会顧問の北尾勲さん(82)、塔短歌会編集委員の荻原伸さん(52)の4人が表現力などを審査した。表彰式は10月15日、同市のさざんか会館で行われる。
一般の部
築百年の我が家のリフォーム終わる朝 木立を越えて初つばめ来る
山口茂樹さん(鳥取県岩美町銀山)
児童生徒の部
岩の家オオサンショウウオどはくりょく わたしくらいの体ゆらして
山根はるかさん(鳥取市立醇風小2年)