「琴桜」しこ名復活 「次は横綱」市民歓喜 先代の地元倉吉 さらなる活躍期待

 大相撲5月場所の番付が30日発表され、「琴桜」のしこ名が復活した。倉吉市出身で第53代横綱の先代が引退した1974年以来、50年ぶりの襲名に市民らは「琴桜は横綱のしこ名」と歓喜し、祖父の名を継いだ二代目琴桜関(26)=本名鎌谷将且、千葉県出身、佐渡ケ嶽部屋=の横綱昇進を期待した。

■祝賀ムード

 番付が発表されたこの日、同市内ではおらが町の横綱のしこ名復活に祝賀ムードが広がった。

 同市魚町の琴桜記念館は「琴ノ若改メ 二代目琴櫻誕生!!」と書いた張り紙を掲示。同館説明員の宇崎愛さん(36)は「琴桜の『桜』は打吹公園の桜。伯桜鵬関とともに、桜パワーで土俵と地域を盛り上げて」と祈念した。佐渡ケ嶽部屋の地元後援会、鳥取県桜友会の会長を務める広田一恭市長は「市民の心の中に残っているしこ名。市を訪れる機会があれば、市民も喜ぶ」と凱旋(がいせん)を期待した。

■「宝」戻った

 先代を知る関係者の感慨もひとしお。桜杯争奪相撲選手権大会(桜ずもう)の開催に尽力した牧田亨さん(88)=同市伊木=は「琴桜のしこ名は倉吉の宝。戻ってきてくれてうれしい」と歓喜した。先代が帰省した際には「孫が『俺が(琴桜を)継ぐ』と言ってくれた」と話していたといい、「そのときのうれしそうな顔が忘れられない。(琴桜関が)祖父との約束を果たしてくれた」と思い出に浸った。しこ名とともに、下の名も「傑太」から祖父の名をひっくり返した「将傑」と改めたことについて「おじいさんのことが忘れられないのだろう」と目を細めた。

 先代の小中学校時代の先輩、小谷次雄さん(84)=同市東仲町=は、先代から小学校入学前の琴桜関を紹介されたといい「そのときから後を継いでほしいと思っていた。琴桜は横綱のしこ名。名乗る以上は大関で終わらず、横綱まで上り詰めてほしい」と、祖父と同じ番付の頂、横綱昇進へエールを送った。

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