日本に帰れなかった母、帰ってきた娘の思い

鳥は自由に飛べるのに、「境界から」(15)サハリン

  •  北海道函館市にあるロシア正教の函館ハリストス正教会の前を歩く淡中詔子。ここを訪れるたび、ろうそくに火をともし、故郷や家族に思いをはせる=2024年1月(撮影・大森裕太)
  •  母キノの写真を見つめる詔子。母が着ているのは1960年代に初めて給料を手にした詔子が贈った服だ=2024年1月、北海道函館市(撮影・大森裕太)
  •  ロシア・サハリン

 大地の上に広がる青い空を、渡り鳥が悠々と飛んでいく。母が畑仕事の手を止めて見上げる。「鳥は行きたい所に自由に飛んでいけるのに」。悔しげにつぶやく母の☆(順の川が峡の旧字体のツクリ)には涙が流れていた...

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