秋の到来を告げる稲刈りシーズンが始まった。鳥取市鹿野町鹿野の田んぼでは3日、鳥取県が品種開発した香り米「プリンセスかおり」が収穫期を迎え、厳しい残暑の中、農家が収穫作業に汗を流した。スーパーなどの店頭からコメが消える中、新米の流通による不足感の解消が期待される。
グリーン農園(同市久末)は同市鹿野町の住民から借り受けた田んぼ約300アールで「プリンセスかおり」を栽培。収穫は4日までの予定で、この日は従業員の池本拳士郎さん(31)が手際よくコンバインを操り、黄金色に実る稲穂を次々に刈り取った。収穫したコメはパックご飯製造会社や県内のカレー店に出荷するほか、ネット通販でも販売。地元のイベント「週末だけのまちのみせ」でもジビエカレーに使われるという。
同社ではひとめぼれやコシヒカリ、星空舞(ほしぞらまい)などの収穫が10月中旬まで続く。芦沢康年社長(46)は「新米はおいしくて栄養が豊富。カレー人気やコメ不足などがご飯文化を見直すきっかけになれば」と話した。