認知症を患った人が行方不明になる事案が全国的に増加し課題となる中、行方不明者の発生を想定した訓練が16日、米子市の義方地区であった。地域の見守り体制を強化しようと、市と同地区自治連合会などが実施。参加した住民は発見時の対処法などを学んだ。
訓練は、認知症の人が外出中に道に迷って行方不明になったとの想定で実施。行方不明者に装った住民ら8人が地区内の道路を1時間さまよった。
住民らは行方不明者役の人を発見すると「どちらに行かれますか」「家はどこですか」などと優しく声かけし、米子署に発見場所などを通報した。
民生児童委員を務める同市三本松3丁目の寺崎淑子さん(62)は「やわらかくあいさつから声かけすることの大切さが分かった。ただ、実際は行方不明の方かどうかの見分け方が難しそうだ」と話した。
同市では2023年8月に認知症を患っていた荒川泰子さん=当時59歳=が行方不明となる事案が発生。夫の勉さんが捜索を続けているが、発見に至っていない。市は認知症や障害などにより行方不明になる可能性のある人を事前登録する制度を実施しており、これまでに349人が登録している。