東京の鉄道空白地帯にモノレール延伸へ

  •  日野市内の住宅地を走り抜ける多摩モノレール
  •  多摩モノレールの路線図。左上の赤線が延伸予定区間(発表資料から引用)
  •  北の終点、上北台駅を出発する多摩モノレール。背後は狭山丘陵の森
  •  上北台駅のレール先端は、延伸を想定してか少し西へ向いている
  •  延伸で連絡する予定のJR八高線箱根ケ崎駅。青梅街道と日光街道が交わる宿場町だったことにちなみ、馬の水飲み場をイメージしたモニュメントがある

 東京の多摩地区を南北に走る多摩モノレールの延伸が決まった。国土交通省は5月、多摩都市モノレール(会社名)と東京都が連携して準備を進めている延伸計画の申請について、軌道法に基づいて特許(事業化を認めること)した。

 延伸予定区間は、現在の北の終点である上北台駅(東大和市)からほぼ西に向かい、武蔵村山市を通ってJR八高線箱根ケ崎駅(瑞穂町)までの約7キロ。新青梅街道に沿って7つの駅を新設する。支柱や桁、駅舎といった構造物は「インフラ部」として東京都が整備し、車両や電線、券売機といった運行、経営に必要な物は「インフラ外部」として第三セクターである同社が整備する仕組みだ。両方を合わせた事業費は約1290億円と算定されている。

 武蔵村山市(人口約7万人)は東京都内の23区と26市で唯一、鉄道の駅がなかったので、地元にとっては悲願の鉄道誘致実現となる。自然豊かな狭山丘陵の南裾を走るルートなので、新たな観光利用が進む可能性もある。ただ完成は2030年代中頃とまだ先なので、人口の高齢化や減少も進む中で、地域として新しい鉄道をどう生かしていくのか、今後のまちづくりに注目したい。

 ところでなぜモノレールな...

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