シンガー・ソングライターの松山千春が、4月に始まったコンサートツアーの東京公演を行った。昨年は狭心症の悪化で秋冬の公演を中止しており、本格復帰となるツアーに「1年ぶりの東京国際フォーラム、心臓の手術を終え帰って参りました!」と、元気な姿でステージに立って約5千人のファンを喜ばせた。
公演は松山のギター弾き語りの「おいで僕のそばに」で幕開け。強いビブラートのかかった声を響かせた。「こうして皆さんに迎えられて感謝だなぁ」と笑えば、「待ってたぞー!」「おかえり!!」と声援が飛んだ。
「銀の雨」「ピエロ」と、切ない恋を歌った初期の楽曲も立て続けに披露。「おまえらも人を好きになったこと、あるべ? 人を愛するその気持ちだけは一生持ち続けてもらいたいな」と出身地の北海道なまりで語りかけた。
「まだまだ伝えたいことがたくさんある」と、これからもフォークソングを歌い続けると宣言。リズムを揺らし、情感たっぷりに新曲「君の明日」「高齢者の唄」などを歌い上げた。
アンコールでは代表曲「長い夜」を熱唱。「大空と大地の中で」を客席と合唱し、最後は「憂い」で観客を魅了した。会場は割れんばかりの拍手に包まれた。