今年ふ化した国の特別天然記念物コウノトリのひなに個体識別用の足環(あしわ)を取り付ける作業が3日、北栄、大山両町で行われた。北栄町では3羽、大山町では2羽の生育状況が良好であることが確認された。
鳥取県内での作業は2日の八頭町に続き、兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の職員らが実施。北栄町では、高さ約13メートルの人口巣塔から高所作業車を使って3羽を下ろし、採血や足環を取り付けた。3羽は体重3・7~4・5キロ、全長84~89センチで、いずれも健康だった。3週間から1カ月で巣立つとみられる。
大山町では3羽がふ化したが1羽は死んでおり、2羽に足環を取り付けた。2羽は全長約83センチ、体重約4キロで、いずれも健康状態に問題はなかった。今後、巣立ちを迎えるとみられる。
同公園の松本令以獣医師は「鳥取県内のひなは全て順調に育っている。温かく見守り、毎年ひなが生まれる環境を大切にしてほしい」と話した。
同公園によると、北栄町では2022年から4年続けてつがいの営巣が確認され、計10羽のひなが生まれた。現在、国内で確認されているコウノトリは、ひなを除いて約450羽まで増えている。