但馬観光地、万博に商機 訪日客受け入れ再開1年 海外で誘客意欲も

 政府がインバウンド(訪日客)の受け入れを再開して1年が経過した。但馬地域の観光地では、一部でコロナ禍前に近い入り込みが見られるものの、美方郡は元々インバウンドが少なかったこともあって影響は限定的だ。ただ、2025年大阪・関西万博を視野に海外での誘客事業を再開する動きが出てくるなど、関係者は訪日客獲得に意欲を示している。

順調に回復

 海外での知名度も高い城崎温泉(豊岡市)。19年の外国人宿泊者数は過去最高の5万783人だったが、新型コロナウイルスの感染拡大後の20年は8377人、21年は207人、22年は5265人と激減。しかし、今年は1~3月ですでに前年実績を上回る9013人となっており、コロナ禍前の7、8割の水準に回復している。

 現在はビザの取得制限などの事情で中国人客が少なく、欧米や豪州などからの客が目立っているという。同温泉旅館協同組合の日生下民夫理事長は「コロナ禍前に完全に戻ったとはいえないが、順調に観光客が訪れている」と手応えをつかむ。

4年ぶりに再開

 国内客が主力の湯村温泉(新温泉町)は、4月ごろから台湾の団体客が増加傾向だが、個人のインバウンドは少ないのが現状。香美町も同様で、同町香住観光協会によるとコロナ禍前は冬場に城崎温泉から足を延ばしてくるアジア系の観光客がいたが、インバウンド再開の影響は今のところ感じられないという。

 感染拡大が落ち着いたことで、誘客事業を再開する動きも。新温泉町商工会は今秋、4年ぶりとなる台湾での観光プロモーションを計画。商談会に参加するほか、現地の旅行会社に同町の豊富な観光資源をアピールする予定だという。担当者は「(訪日客に)1泊や2泊でも町内に泊まってもらい、地域活性化につなげたい」と話している。

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