大森均の釣れ釣れ草

人間側の事情 魚の都合で…

2021年8月6日
タチウオ釣りのリーダーも人間の都合で決められているようだ

 人は、釣りだけではなく一度いい思いをすると、その成功体験にすがってしまう。釣りの場合、一度自分のパターンで釣りあげると、それがすべてと思い込んでしまうからやっかいだ。それに一般的に言われる釣りの格言なども上達に寄与することもあるが、解釈次第で反対になることもある。

 総合的な判断なしに、知り得る単一の知識だけを頼りに釣果の予測をしてしまって、自分自身のモチベーションを上げたり下げたりしながら釣りに臨んでいる。いわば自分で作ってしまった「定石」のようなものに、無意識のうちに釣りの意気込みを左右されていることが多いが、その例外に遭遇すると思考回路がストップし、手も足もでないことがある。

 ▽人間的な発想

 釣りの世界では、誰かが何げなく言い出したことが、何かのきっかけで広まって、さも真実のように信じられていることもたくさんある。

 大阪湾の波止釣り名人と称されるSさんは、スズキのエビ撒(ま)き釣りでアタリがあれば、潮上に向かってアワセを入れよという。気配が潮下に伝わり、せっかく撒き餌で集めたスズキを散らせてしまうからということらしい。もちろん、弟子筋に当たる釣り人は信仰のように実践している。

 これは間違いだ。一般的にルアーを追う習性のある魚、肉食魚は、針掛かりして水中で反転し、ギラリと光った白い腹をみせて抵抗する姿には激しい就餌行動と同じ様子が表れ、興味を示す。その証拠にシイラやアオリイカなどを釣り上げると、もう1尾が船の近くまで追ってくることは普通にある。S名人は、「仲間が釣り上げられたから警戒する」と、きわめて人間的な発想から人間が納得しやすい映像を描いている。

 ▽修復しやすい

 これからがシーズンインのタチウオは、大阪湾や播磨灘では小潮時の釣果が断然であるが、潮回りは1週間後には逆になっている。次の休みに時間が取れたからと言ってもそれが大潮周りなら、わざわざ釣れない日を選んで行っていることになる。魚の都合に合わせず、人間の都合で釣りに行っては釣れるはずがない。

 こんなこともある。タチウオ釣りは独特のテンヤ仕掛け。テンヤの上につけるリーダーは市販のものには当然のようにワイヤーが着けられている。このワイヤー部分をフロロカーボンの12号程度に替えると食いがいいとの信仰(?)が広まっている。泉南辺りの乗合船では、ワイヤー禁止というルールまで登場し、一気にフロロカーボン推奨の船が増えることになった。

 しかし、検証の習慣のない釣り人が偶然釣れたその時がフロロカーボンなら「やっぱり!」と思い込むに違いない。簡単に断定はできないが、意外なところにヒントが…。普通、乗合船にはオマツリの解除やその他のアシストをするお世話係の人が乗り込んでいる。泉南の乗合船に乗船した際、「ワイヤーはあかんねんなぁ」と、フロロカーボンに結び替えていると、「オマツリした時にほどきやすいし、端から切れて修復しやすいからなぁ」。

 これは人間の側の事情だ。案外、こんなもんかも。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■若狭本郷・福井

 キス本格化。連日、同魚12〜23センチが平均50尾釣れている。5日、船中4人で214尾。トップ64尾。エサは石ゴカイ。▽はやし渡船=電話0770(77)0591

 ■船(2)■宮津・京都

 すこぶるおいしいアコウとガシラ期待できる。アコウ25〜40センチ10〜15尾とガシラ20〜30センチ10〜15尾程度のお土産確実。要予約。▽一心丸=電話0772(28)0476

 ■船(3)■阿尾・和歌山

 半夜でアカイカ上昇気配。田辺沖に出て同魚胴長10〜20センチ30〜70パイ。潮によりスルメイカも5〜10パイ交じる。要予約。岬丸=電話0738(64)2975

 ■船(4)■東二見・兵庫

 タコそろそろ終盤。型が大きくなった。連日0.4〜2.5キロ15〜30パイが竿頭。タコエギ使用、オモリ50号。要予約。▽西海丸=電話078(942)6480

 ■磯(1)■切目崎・和歌山

 底物期待。例年、この時期にイシダイ、イシガキダイ複数尾上がる。エサはウニ。アタリ頻繁。▽庄門丸=電話0738(43)0517

 ■磯(2)■尾鷲・三重

 半夜でグレ期待。グレ35〜45センチ3〜5尾は期待できそう。特に中潮・大潮の込み潮が期待できる。▽宮城野渡船=電話0597(22)1347

 ■筏■栖原・和歌山

 湾内筏でチヌ、五目筏でグレが釣れている。チヌは30〜45センチ3〜8尾。グレは25〜35センチ5〜10尾。3日、湾内筏でチヌ30〜40センチ5尾。▽かるも丸=電話0737(62)3527

 ■波止(1)■北港・大阪

 タコジグで100〜500グラム10〜20パイ見込める。他にシラサエビのエサでハネ40〜55センチ2〜4尾。超高級魚アコウも期待できる。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 ■波止(2)■大阪湾全域

 大阪湾全域でチヌ好調維持。35〜50センチが5〜10尾前後見込める。カニ使いの落とし込み、エビ撒き釣り、オキアミのフカセ釣りともに好釣果続出。▽武庫川渡船=電話06(6430)6519

 (大阪日日APG 錦 剛司)



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