大阪ニュース

外国人観光客が激減 円高直撃 大阪でも

2009年2月2日

 昨年九月の米国発金融危機、為替の円高傾向の影響を受け、日本を訪れる訪日外客数が減少傾向の一歩をたどっている。二〇〇三年に国土交通省を中心に始まった外国人観光客への訪日促進事業「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を機に、右肩上がりをたどった外国人観光客の訪問がここに来て大きく後退し始めている。

道頓堀で記念撮影する外国人観光客

 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、昨年十一月に日本を訪れた訪日外客数は五十五万三千九百人と前年同月比でおよそ十三万人減少している。国別で見ると、訪問数の最も多い韓国からの旅行客は十万九百人減で十一万七千六百人と大幅ダウン。次いで台湾が約一万五千人減と続くが、中国、香港からの旅行客は前年と比べ合わせて五千四百人と微増した。

 同局では減少の要因として金融危機による景気後退と消費の手控えを挙げ、韓国については韓国ウォンに対する急速な円高の進行が大きく影響していると分析している。中国、香港については「中国元に対する円高が緩やかなのに加え、旅行客の多くが富裕層で、為替の影響を受けにくい」(JTB西日本広報)。

 また、大阪府観光交流局が今年一月に府内の観光施設などを対象に実施した景気観測調査の動向指数では、外国人客数が一昨年十二月の原油高騰から減少傾向が続き、昨年九月からマイナス域に転落。東アジアからの訪問・宿泊客数について多くの事業者が「客足不調」と判断した。

 府内の観光施設でも大阪城の入館客数が昨年十二月で前年同月比一万人減、年間累計でも二万人下回るという。大阪城を運営する大阪観光コンベンション協会理事は「〇三年に起きた新型肺炎(SARS)騒動以来の減少。観光業界は、特に宿泊施設に影響が出ているが、世界的な経済の動きの中では、事態が好転するのを祈るしかない」と訴える。

 安価な宿泊料金で外国人旅行客を呼ぶ西成区の簡易宿泊施設でも、韓国人客が大幅に減った。外国人向けに五ホテルを経営する中央グループ、山田英範社長は「韓国の方は一昨年末の四分の一程度。外国人を受け入れてから初めての経験」と話し、「低価格帯でも来ないということは、宿泊関係全体でも大きな影響が出ているのでは」と指摘する。

 現在、東アジアからの観光客でにぎわう、道頓堀周辺でも見られるのは中国、香港からのツアー客ばかり。道頓堀で飲食店を営む男性は「営業に支障は出ていないが、例年は休暇シーズンを楽しむ韓国の方が多い時期。早く旅行客の足取りが戻ってきてくれれば」と話す。