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二極化するフィットネス業界 生き残りへ人材が鍵

2011年4月22日

 健康ダイエットブームに乗って成長を続けてきたフィットネスを目的としたジムやスタジオが曲がり角を迎えている。需要は依然高いものの、大阪でターミナル立地する月ぎめ会費制大規模施設は、際限ない入退会による会員の入れ替わりと近隣施設との会員獲得競争に疲弊しながらも、春の新年度時期とあってチラシやティッシュ配りが毎朝夕欠かせない悪循環。そうした中で注目されるのは“コンビニ・フィットネス”と呼ばれる低価格中規模の新業態施設と、高額短期間濃密を売り物に心身を同時に鍛える個人指導に徹した小型ジムとの両極端の盛況。繁華街の一角にある個人指導施設を訪ねた。

マンションの一室での対面個人レッスンを行うフィットネススタジオ=大阪市西区

 おしゃれな街、ミナミ・南堀江のオレンジ・ストリートをひょいと入ったオートロック付きのマンションの一室。このほどイー・エス・アイ社(本社・大阪市生野区、中野嘉之代表取締役)が開いたパーソナルスタジオ「グレース」がそこにある。

 1DKの室内にはマットやダンベル、バランスボールなど必要な備品一式。契約者は、シャワー室を兼ねた更衣場で着替え、トレーナーと1対1で個人レッスンを受ける。

 元プロアメフト選手で米国内トレーナー資格者の中野社長をはじめ、エアロビクス連盟認定の女性アドバイザーや米国人の国際トレーナーによる最新エクササイズなどメニューは豊富。完全予約制で日時指定し、他の利用者と顔を合わすことはない。

 体力づくりやダイエットだけでなく、理学療法士、管理栄養士や医師らとも契約。メンタル面や語学の指導まで受けられ、至れり尽くせり。費用は個人入会金5万円、個人レッスン1回ごと1万2千円と高額。3カ月90日間の徹底サポートコースでは総額60万円近い出費になる。

 中野社長は「大都市部でのフィットネス両極化が進んでいる」と前置きして「それぞれの地域で運動できる手軽な施設があり、加えて適切なアドバイスができる指導員常駐が理想。住勤接近で人間関係も濃密な地方都市なら人件費や家賃も手頃でそれも可能だが、大阪のような大都会では困難」と分析する。

 特にスポーツへの意欲が強いのは「子育てを終えた主婦層と個人経営者。中年になり体型が崩れ、体力の衰えも痛感している。女性は美容エステ感覚で、経営者は米国並みの自己管理力を問われる時代」とみる。

 一方で、中規模でトレーニングマシンを数台置き、1カ月回数制限なし5千円前後で利用できる手軽な施設も雨後のたけのこのように出店しては消える。中野社長は「フィットネス産業も人によるコンテンツ能力が問われる時代」と感じている。「現代人は体づくりへの意欲は高いが創意工夫が意外に苦手。そのくせニーズが多岐に分かれ、人材育成を怠って設備投資のみに走ると利用者に見放されるのも早い」と過度な合理化への流れに警鐘を鳴らしている。