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どうなる守口市旧庁舎 見えぬ「青写真」

2017年4月16日

 大阪府の守口市役所旧庁舎跡地の活用が市民の注目を集めている。市は昨年10月、国道1号線沿いの旧三洋電機本社ビルの土地と建物の一部を購入し、整備費用などを含めて計約60億円をかけて移転。一方、築66年で老朽化が著しい200メートル北東の旧庁舎は建物もそのままで、現在も跡地の活用方針が決まっていない状況だ。市は今後、旧庁舎を含む一帯の活用に関するグランドデザインを描く予定で、本年度中に大きな方針が固まることになる。

跡地の活用が検討されている市役所旧庁舎(手前が本館)。現在は「守口市役所」の表記は取り外されている=2014年9月、守口市

 「住民の関心が高く、新年度もしっかり取り組んでいきたい」。今年2月、西端勝樹市長は旧庁舎跡地について、2017年度当初予算発表の場で記者団に語った。1947年の創業以来、67年にわたって構えた大手家電メーカーの本拠地へ庁舎を移し、市は2017年度、旧庁舎を核とする一帯の跡地活用の検討に民間への委託料として750万円を計上。旧庁舎解体の実施設計にも約2300万円を盛り込んだ。

■お化けやしき

 庁舎移転を巡っては15年4月、三洋の全社員約7千人が親会社のパナソニックへ転籍することなどが決まり、実質的な“消滅”に伴って計画された。市は、三洋から本社ビルと土地の一部を約48億円で取得し、庁舎の設計や耐震診断などで約11億円を上乗せ。その新庁舎は地上10階、地下1階の本館と、議場が入る2階建ての別館でなる。

 一方、旧市役所本館は1951年に完成し、ほか別館4棟に分散。いずれも耐震性を満たしておらず、市民からは「お化けやしき」とやゆする声も上がる。

■将来ビジョン

 市は2016年度、旧本館前の大阪市営地下鉄守口駅と、300メートル南にある京阪電鉄守口市駅を含む地域を中心とした半径500メートル一帯とその周辺を「守口都市核周辺における将来ビジョン」の対象エリアとして決定した。17年度は市場や商業の進出度合いを調査し、一帯の青写真を明確にする方針だ。

 ビジョンでは、公共施設が集積するものの老朽化していることや、商店街がにぎわいを失っているなども加味し、「新しい都市イメージにつながる守口都市核づくり」をコンセプトに掲げる。回遊性を高めることでにぎわいと交流を創造することなどを盛り込んでいる。

■一部は借地

 一方、市財産活用課によると、旧別館のうちの一部は借地で、今後は地権者の合意も必要となってくるという。市民の男性(65)はこのことを例に跡地活用に疑問符を投げかけ、「市民会館もなくなり、憩いの場が減っている。跡地にコミュニティーセンターを設けることはできないのか」といぶかる。

 また、市内に住む別の団体職員の女性(35)は「守口駅前は市民が活動できるホールが少ないと聞く。イベントができる施設になれば」と期待する。

 市民の注目を集める「跡地問題」。今後、市民への丁寧な説明が求められる。