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「共謀罪」法施行 GPS捜査訴訟 亀石弁護士に聞く

2017年7月12日

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が11日、施行された。国会では法案に反対する野党が「組織的犯罪集団や準備行為の定義が曖昧で、一般の団体や市民に適用される恐れがある」と指摘し、捜査機関による乱用が懸念されている。政府は構成要件が厳格で、裁判所のチェックを受けるため、「捜査機関が恣意(しい)的な運用をする余地はない」とするが、市民のプライバシーは守られるのか。今年3月、衛星利用即位システム(GPS)端末による捜査に対し、「プライバシー侵害で、令状がなければ違法」という今後の指針となる最高裁判決を得た弁護団の亀石倫子弁護士に聞いた。

「共謀罪とGPS捜査はリンクしている」と話す亀石弁護士

 −GPS捜査事件の経緯と問題点は。

 「GPS捜査について、(裁判所の令状なしでできる)任意捜査であることを前提に、警察庁は2006年に都道府県警察に対し、通達で秘密にするよう指示していた。捜査は大阪府警が2013年に7カ月にわたって実施。窃盗事件の被疑者、共犯者らの車やバイク19台にGPS端末を取り付け、長いもので3カ月にわたり位置情報を取り続けた。交際相手の車にも付けられていた。令状を取らず、通達で運用ではチェックする人がおらず、誰を対象に何が目的でいつからいつまで監視されていたのか検証できない」

 −法施行で問題点は広がるのか。

 「計画段階で把握するためには必然的に監視を伴う。GPS捜査と同じことが行われる。私たちの知らない技術も捜査に有効だと思えばどんどん使うだろう。警察のルールだけで行われることが非常に問題。法施行は最高裁の判断に逆行する」

 −要件が厳しく、しばらく適用されないとの声もあるが、一般人は対象になるのか。

 「要件が厳しいというのは立件し、起訴して、有罪にする立証段階での話。やろうと思えば誰だって監視の対象にできる」

 −法施行の影響は。

 「すぐに何かが変わるとは思わないが、計画段階の捜査はコミュニケーションを把握しなくてはいけない。どんな会話がされたか、内面に踏み込んでくる。国会前で声を上げると目を付けられるかもしれないからやめようなどといった萎縮が生まれる。内心の自由、集会の自由、表現の自由。憲法で保障された自由がある。萎縮してはいけない。おかしいと思ったら声を上げないといけない」


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