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犬猫の殺処分ゼロへ 愛護運動、徐々に効果

2017年9月14日

 野良猫や野良犬の殺処分を減らす運動が各地で進められている中で、全国的にも殺処分が多いといわれている大阪でも、自治体や愛護団体が殺処分ゼロに向けた取り組みを進めている。かつての「捕まえて殺処分する」から、「動物愛護の啓発を行い譲渡する」に方針転換しており、年々効果を上げている。

施設内で譲渡されるのを待つ犬たち=羽曳野市の動物愛護管理センター

 動物愛護を推進する施設として、大阪府は動物愛護管理センター(羽曳野市尺度)を8月1日に新設した。府(政令市などを除く)の殺処分数は、2006年の1万3287匹が15年には4057匹と半減した。

 法改正で、正当な理由がない場合には引き取りしなくてよくなったことなどが減った背景にあるが、そのまま捨てられて数字に現れないケースもあるという。

■26年で8割減

 同センターは犬を対象とした動物管理指導所(大阪市)と、猫の動物一時保護センター(高槻市)などを統合。以前の狂犬病予防対策など公衆衛生面から、動物とのふれあいを通して愛護の心を育む拠点として整備した。

 動物管理するエリアに加え、ふれあいコーナーや猫の室内飼育体験室、啓発展示コーナーなどを含む動物学習エリアを設けた。一般の施設では動物が会場に入れない場合が多くなり、専用施設以外でのふれあい体験が難しくなったことも一因にあるという。

 同センターの真柳敦夫所長は「動物をいったん飼ったら、死ぬまで飼うのが基本。単に『かわいい』で飼うのでは捨て猫や捨て犬も出てくる。そういったことを無くすためには啓発は不可欠」と指摘する。

 大阪市も吉村洋文市長が今年の3月議会で「犬猫の理由なき殺処分ゼロ」を表明。市は地域住民の合意を得て野良猫の不妊去勢手術を行い、地域で飼育管理する『街ねこ』の事業などを展開している。

 市の殺処分数は26年間で約8割減少しているが、15年度は1991匹と他の政令市と比べても数は多い。市生活衛生課の栗山憲英係長は「“街ねこ”の成果はあるが、まだまだ数が多くすぐに殺処分ゼロは難しい。譲渡する取り組みも推進したい」と強調する。

■時間との勝負

 野良猫の不妊去勢手術を全国で展開している公益財団法人・どうぶつ基金(兵庫県芦屋市)は、16年度までに4万1386匹を手術した。手術中に片方の耳の先端を桜の花ビラの形にカットし『さくらねこ』と呼び、手術済みの印としている。

 大阪市北区の曾根崎お初天神通り商店街には、さくらねこをPRする垂れ幕やちょうちんが並ぶ。地元のキタ歓楽街環境浄化推進協議会と同基金が協力し、200匹以上を手術した。

 同基金の佐上邦久理事長は、母猫は年間20匹弱を出産する繁殖力を指摘し、すぐやる▽全てやる▽続ける−の重要性を訴える。佐上理事長は「とにかく時間との勝負。妊娠する元を断たないと意味がない」と語った。


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