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ヒト、モノ流入に期待 大阪モノレール延伸へ

2017年9月22日

 府内北部を走る「大阪モノレール」の門真市から東大阪市への延伸計画が、2018年度の都市計画決定に向けて進行している。府は19年度着工、29年度開業を目途に関係自治体との協議を進めており、地域活性化の起爆剤でヒトやモノの流れを呼び込もうと、沿線の門真市や東大阪市などが開通を待ち望む。一方で、現段階で橋脚の位置や線形など計画の具体案が示されておらず、気をもむ声も上がっている。

大阪モノレール門真市駅に近い、新橋跨(こ)道橋付近の軌道末端。南(写真手前)方向へ軌道が延伸する

 延伸するのは、門真市駅−瓜生堂駅(東大阪市)間の約9キロ。府道2号中央環状線に沿って南下し、他社線のJR、近鉄、大阪市営地下鉄と相互乗り換えが可能な四つの新駅を設ける予定だ。

■早期提示を要望

 「都市計画の決定が来年度に迫っている。府と協議を進めていってほしい」−。今月中旬にあった門真市議会9月定例会の総務建設常任委員会で、市議の一人が市に強く求めた。昨年1月に府の戦略本部会議が延伸の事業化を決定したが、それ以降、具体案が示されていないことを不安視したからだ。

 総事業費は1050億円に達する。そのうちインフラ部分で国が407億円、府と大阪市、東大阪市が333億円を負担。大阪モノレールを運営する第三セクター「大阪高速鉄道」が、残りの310億円(沿線自治体の出資金を含む)を担う。

 延伸区間の門真南駅(仮称)では、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線と接続する計画。乗り継ぎに要する施設を巡っては、モノレール駅から市道までに最低限必要な階段、エレベーターは府、そのほか利便性向上のため乗り継ぎに必要な通路などの設置費用は、総事業費とは別に門真市が負担することが決まっている。

 具体案は駅周辺のまちづくりに大きく影響してくるため、市地域整備課の担当者は市議会で「早期に示されるよう府へ要望していく」と答弁。延伸への期待は膨らむが、青写真が見えていないのも実情だ。

 府都市整備部の担当者は、駅の位置や線形、費用負担などの具体案を「来年春までに示したい」としている。

■沿線開発に期待

 一方で、沿線開発となると門真市には特有の事情がある。今年3月、不動産大手の三井不動産が、市内に本社を置くパナソニックの拠点用地の一部を買収。用地は延伸部に当たる南門真地区(松生町)に約16ヘクタールもあり、現在は同社グループ企業「コネクティッドソリューションズ社」が製造、開発の拠点を置いている。

 広報部によると、今後、土地と建物を継続して利用できる2021年3月までに、北門真や守口市、大阪・天満橋など他の拠点へ約4千人の従業員を移していく考えだ。

 三井不動産は、大型商業施設「ららぽーと」を全国展開しており、府内では14年10月に和泉(和泉市)、15年11月にはエキスポシティ(吹田市)を開業。商業施設の開業を視野に門真市幹部は「うまく連動して、集客につながる仕組みを考えていきたい」と、新たな枠組みの構築に期待を寄せる。

ミニクリップ
 大阪モノレール 運営するのは、府などが出資する第三セクター「大阪高速鉄道」(吹田市)。1990年に千里中央−南茨木駅間6・6キロが開業し、現在は大阪空港−門真市駅間の21・2キロと万博記念公園−彩都西駅間の6・8キロが整備されている。98年にはモノレール営業距離が世界一としてギネス認定された。府は、門真市−瓜生堂駅間の延伸を、なにわ筋線の整備や北大阪急行の延伸とともに「公共交通戦略4路線」に位置付けている。