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「アウトレイジ 最終章」 西田、塩見、たけしに乾杯

2017年9月22日

 北野武監督(70)のヤクザ映画シリーズ第3弾「アウトレイジ 最終章」。2010年、12年に1、2作が公開されヒットを記録。北野監督唯一のシリーズもので、5年ぶりの登場で最終章とは少し寂しいが、それも仕方がなかろう。こんな映画が撮れるのは故深作欣二監督(「仁義なき戦い」シリーズ)と、この人しかいないので余計に残念という気がする。

西田敏行(右)と塩見三省=(C)2017「アウトレイジ 最終章」製作委員会

 シリーズの中で、今回まで生き延びたのは関東・山王会系大友組の大友(ビートたけし)だけで、これを演じるたけしが自ら決着をつけたくて、これを撮ったのは間違いない。前2作を通して、痛烈に死んでいったアウトレイジたち。極悪非道の戦士たちの、その死にざまが思い出される。

 大友は韓国の済州島で、子分の市川(大森南朋)と韓国ヤクザの会長・張(金田時男)にかくまわれて、近くの海でのんびり釣りに興じている。が、事はすぐに勃発する。関西の花菱会幹部の花田(ピエール瀧)がホテルのベッドで風俗嬢が気に入らないと難癖をつけ、地元ヤクザに居候中の大友がそこに出向き「てめえ、誰に文句を言ってんだ!」とどう喝する。

 花田のもめ事で、張グループと花菱会がいきり立ち、それに決着をつけようとする若頭の西野(西田敏行)と若頭補佐の中田(塩見三省)、その上に立つ証券マン上がりの野村会長(大杉蓮)らの内紛に火が付く。面白いのは、西野と中田がいかに野村を会長席から突き落とすかで、一家の幹部・森島(岸部一徳)らを巻き込んで虚々実々の抗争劇の中で仕組まれる。

 張会長に義理ある大友は、事が収まらないのにしびれを切らし、大阪に出向き、暴走するシーンが今回の見どころ。大友と市川の機関銃の連射が圧倒的迫力で、敵役の花田が殺されるシーンはおなじみ北野監督得意の仕掛けがある。それにしても、西田と塩見、共に69歳の名優が、ヤクザ言葉で怒鳴り合うシーンは圧巻。

 やることをやった大友が最後につける決着にも泣かされる。こういうクールなかっこよさが北野ブルーの根っこになっており、国内外の北野ファンに受ける要素だろう。シリーズ最終章は、とにかく西田、塩見、そしてたけしに乾杯である。

 ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野配給。10月7日から大阪ステーションシティシネマほかで公開。