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入試英語に外部検定試験 17年度府の公立高入試

2017年10月3日

 英語で「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能の習得を促すため、入試で外部検定試験を活用する手法に光が当たっている。大阪では2017年度公立高校入試から、実力に応じて学力検査の点数を最低保障する仕組みがスタート。344人が活用した。現行の大学入試センター試験の後継テストでも20年度から活用方針が示されており、期待と不安が交錯している。

民間検定試験の活用が始まった大阪の2017年度公立高入試で合格を喜ぶ受験生ら=大阪市港区

 府教委は、高校入試で「話す」力が試せていない点を問題視。評価の仕組みがなければ、生徒の学習意欲は高まらないと外部検定の活用に踏み切った。

■最低保障

 「英検」「TOEFLiBT」「IELTS(アイエルツ)」の3種類を対象に、英検準1級は満点、2級は80%分(90点満点の場合72点)といった最低保障の点数をそれぞれ定め、受験した学力検査の点数と比較して高い方を採用する形式にした。

 その結果、実技や面接がある特別選抜では、満点換算を2人、80%換算を9人が活用。一般選抜では満点を25人、90%を3人、80%を306人が利用した。

 難関大学への高い進学実績がある文理学科(10校)だけで6割余り(214人)を占め、最低保障する点数以上の得点に学力検査で到達した人数は164人で47・7%だった。

 一般入試で約5万人が受験したのを考慮すれば、活用を促す動機付けが課題。制度設計の妥当性について府教委担当者は「動向を注視していく」という。

■評価割れる

 一方、文部科学省は7月、大学入学共通テストの実施方針を公表。英語で民間試験を活用する方針を示した。英検などのうち、学習指導要領との整合性など一定要件を満たすものを大学入試センターが17年度中に認定する。20〜23年度は移行期間とし、マークシート形式の共通テストと併存させる。

 外部試験の導入について、英会話教室を運営する「イーオン」が中高の英語教員339人を対象にした調査では、高校で「よかった」(35%)と「不安」(37%)が拮抗(きっこう)。中学では「よかった」(46%)が多く、中高共に3割前後が「どちらともいえない」だった。

 「よかった」の理由は「4技能を正しく測定、採点できる」「大学受験後も役立つ」が多く、「不安」の理由は「経済格差・地域格差が出る」「検定間の評価基準を平等に設定できるのか疑問」「学校の授業が外部試験対策の内容になりかねない」が多かった。

 文科省担当者は「複数の外部試験を完璧に比較するのは難しい。大学の方針で加点の工夫をしてもらうなど、評価に役立ててもらいやすいようにする。4技能の習得を促せれば」としている。