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都市生活、仏壇も変化 サイズやデザインにこだわり

2017年11月6日

 デザインやサイズにこだわった仏壇が広がりを見せている。仏間がなかったり、設置スペースが確保できなかったりする住宅環境の変化に伴い、特に都市部などで需要が生まれている形。メーカー関係者らは「個々の生活スタイルに合わせ、大切な人を身近に感じられる祭り方をしてもらえれば」と呼び掛けている。

根強い人気を誇る八木研の「アルデバラン」(左奥)=大阪市東成区
デザインとサイズにこだわって開発されたユニクエスト・オンラインの「木の家」=大阪市中央区

 仏壇の購入で重視されるのは、仏壇関連情報サイトを運営する鎌倉新書の実態調査(2016年)で「サイズやデザイン」(45・5%)「価格」(29・2%)の割合が上位。17年調査速報値でも「デザイン」のみで約半数に達しているという。

 同社によると、サイズやデザインにこだわる傾向は5年ほど前から顕著になっており、「フローリングが普及したり、スペースが限られていたりと、マンションが多い都市部の住宅環境の影響は大きい」と分析している。

■思いを形に

 外観が家具で内部に仏壇がある「現代仏壇」シリーズを展開しているメーカー「八木研」(大阪市東成区)では、従来の物よりもスペースを取らない仏壇の需要がここ2、3年でとりわけ高まっているという。

 約200種類のラインアップの中でも、細長い形状で重厚感も備えた「アルデバラン」(51万8400円)は根強い人気商品の一つ。幅40センチ、奥行き40センチ、高さ1・1メートルの床置きタイプで、扉を開けると仏壇だ。マンションでは壁掛けタイプの商品も注目を集めているという。

 シンプルでコンパクトなデザインと割安感を備えたタイプはネット通販での需要を捉えた。主力の「カインド」(幅46センチ、奥行き30センチ、高さ45センチ、6万4800円)は扉の収納もかさばらないように工夫している。

 広報担当者は「仏壇はお祭りしたいという気持ちが第一。一人一人の思いに合った商品を提案していきたい」と意欲を示している。

■IT企業参入

 需要の高まりを受け、IT企業が参入する動きもある。ネットで定額制葬儀「小さなお葬式」を運営する「ユニクエスト・オンライン」(大阪市西区)は、幅32・7センチ、奥行き13センチ(飾り棚収納時)、高さ24・2センチの仏壇「木の家−KINOIE」を開発した。

 家族の集まる「家」をモチーフにデザイン。木材の材質にもこだわって温かみを感じられるようにした。

 葬儀の利用者から、仏壇の費用や置き場所、部屋のデザインに合う物がないといった声がしばしば寄せられていたため企画。淡い茶色と濃い茶色の2種類を設け、香炉といった仏具もセットにして4万5千円に抑えた。9月から発売し、反響を呼んでいるという。

 企画部の石田由美栄さんは「思わず話し掛けたくなる身近な存在として、リビングや寝室など一番安らぎを感じる場所に飾ってもらえれば」と思いを寄せている。