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自立促す手帳アプリ 発達障害学生向けに開発

2017年11月10日

 発達障害者らの就職支援を行っている「エンカレッジ」(大阪市中央区)は、大学生らの学生生活を支援するスマホ向けアプリ「Booster(ブースター)」を開発した。学生向けには、手帳のように自己管理ができるようにし、教職員らには学生との情報共有や対話機能で「伴走型」の支援ができるようにした。関係者は「学生の自立に役立てて」と活用を呼び掛けている。

学生の自己管理や教職員による支援に活用できるアプリ「ブースター」=大阪市北区

 日本学生支援機構の調査によると、大学と短大、高等専門学校で発達障害がある学生は2016年度に4150人。障害のある全学生のうち15・2%を占める。10年前の発達障害者数127人から急増している。

 発達障害は先天性の脳機能障害とされ、コミュニケーションを取るのが苦手だったり、不注意が多かったりする。大学では、困り事があっても教職員らにうまく相談できず、教職員側も十分に対応できていないといった課題がある。

 ブースターは、ネット上で使うクラウド型で、「手帳」と「コミュニケーションツール」の機能を併せ持つ。

 学生は、授業やアルバイトなどのスケジュールをカレンダーに登録したり、受講している授業の出欠や、リポート提出の日程などを管理。グループチャット機能で、友人や教職員とやりとりし、調整した内容をそのままスケジュールに登録したりできる。

 教職員側は、チャット機能などで学生の情報を共有。学生の了解があれば授業の出欠状況も把握できるため、随時助言することができるなど伴走型の支援に生かせる。

 16年10月にネットサイト上での運用をスタートさせ、10大学で試行や改良をした後、1年かけてスマホ向けアプリを完成させた。

 支援の必要性にかかわらず、学生の自己管理に役立てられたり、部活動などでの情報共有に利用する使い方も見られるという。

 18年春には、働きづらさのある学生が、教職員や外部機関の支援を受けながら就職活動ができる機能を加えるという。

 発達障害の診断を受けていなくても困り事がある学生もいる点を踏まえ、エンカレッジの窪貴志代表は「何らかの支援を受けたり、自己管理をしながら自立を目指してほしい」と思いを込めている。