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特定外来昆虫・クビアカツヤカミキリ 確認相次ぐ

2017年12月10日

 日本の生態系に影響を及ぼす恐れのある「特定外来生物」の指定が決まった外来の昆虫「クビアカツヤカミキリ」。すでに国内各地で桃や梅などさまざまな木を“食い荒らし”、その被害は日本人にとってなじみの深い「桜」にも及んでいる。大阪府内では今夏、桜への寄生報告が相次ぎ、地域住民は「大変なことになった」と不安を募らせている。

ソメイヨシノに付くクビアカツヤカミキリ=7月3日、堺市美原区(南大阪昆虫同好会・阪口博一さん撮影)
ソメイヨシノの根元で見つかったうどん状のフラス=7月15日、富田林市(南大阪昆虫同好会・北端信彦さん撮影)

 府農政室推進課病害虫防除グループによると、クビアカツヤカミキリは中国や韓国に生息する昆虫。成虫は光沢のある黒色に前胸の赤色が特徴で、6〜8月に現れ木の幹などに産卵、幼虫は木の内部を食い荒らし枯らすという。

 同グループは昨年7月、大阪狭山市の梅園で初めて府内での生息を確認。成虫を捕獲した付近の梅の幹には成虫の脱出口や、幼虫のふんなどから成るうどん状の混合物(フラス)があった。今年の巡回調査では主に桜で新たなフラスを見つけた。

 「こんな色は見たことないので一目瞭然。大変なことになった」と話すのは、大和川以南の地域の昆虫を対象に活動する「南大阪昆虫同好会」の北端信彦さん(76)=富田林市。今年7月下旬からクビアカツヤカミキリの発生状況調査を行い、自宅近くで成虫を見つけた。

 北端さんはその後、同市内の公園や街路樹で成虫やフラスを確認、特に国道309沿いは「ソメイヨシノの大きい木ほどやられていて、成虫は30匹以上取った」。同好会の調査では堺市美原区でも成虫を発見しており、「個人での駆除には限界がある。手遅れになる前に行政に手を打ってほしい」と話す。

 大阪での発見報告は今のところ府南部に集中し、発生源や要因は分かっていない。特定外来生物に関しては政府の閣議決定が今年11月にあり、正式指定は来年1月15日の予定で、今後の詳しい調査が期待される。

 近畿地方環境事務所野生生物課の担当者は「桜は日本人にとっても思い入れのある木であり、被害の拡大が懸念される。引き続き地元の自治体と連携しながら対策を検討したい」と話していた。

ミニクリップ

 クビアカツヤカミキリ 成虫は体長3〜4センチで、6〜8月に現れ幹や樹皮の割れ目に産卵。幼虫は2〜3年かけて木の中で成長し、摂食活動は5〜6月が最も盛んになる。幼虫の入った穴からは、ふんや木くずなどの混合物であるうどん状の「フラス」が出る。桜や梅、桃、オリーブなどさまざまな木に寄生するといわれる。