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「スポーツテック」に注目 ICT活用、データ分析

2018年2月1日

 情報通信技術(ICT)を活用しながらスポーツ選手を育てられるようにするため、各社が知恵を絞っている。球の動きをセンサーで数値化したり、動き方を分析しやすくしたりと、選手の技術を効率的に向上させられるよう工夫。活用の場はプロだけでなく、学校の部活動といった身近な所へと目が向けられている。

バレーボールのデータ解析に使えるフェンリルのアプリ「ブラボー」のデモ動画

 スポーツとテクノロジーを組み合わせた「スポーツテック」と呼ばれる分野で、多彩な競技を対象に開発が進められている。

■“魔球”を数値化

 ミズノ(大阪市住之江区)は、野球ボールにセンサーを内蔵させ、回転を解析するシステム「MAQ(マキュー)」を開発。取得したデータは、専用のアプリで表示し、投手の投げたボールの回転数や回転軸、速度などが分析できる。

 「伸びのあるストレート」や「切れのある変化球」といった感覚的な表現を、数値で可視化。指導者による指導効果の向上や、選手が、自分の最も良い状態の投球とその時々の状態を比較する使い方もできるとみている。

 今春の販売に向けて試作品で研究中。同社は今後、センサー技術を活用した事業展開を加速する方針で「さまざまなボールへの応用を目指す」という。

■経験なしで指導

 NTT西日本(大阪市中央区)は、中高生のソフトテニス部向けに人工知能(AI)を使ったシステムを構築中だ。カメラで撮影した生徒の動きを、あらかじめ蓄積している多彩な選手のデータと比較して分析。力量に応じて、得点につながる試合構成やサーブの打点、移動場所などを専用アプリで表示する。

 効率的な指導が実現できれば「教員にとっては、物理的にも心理的にも負担が軽減される」と担当者。指導時間の短縮をはじめ、競技経験がなく不安を感じる教員でも、データに基づいた助言ができると考えるためだ。

 生徒にとっては、データと比較しながら自身の課題を発見し、解決していく能力を養えるとみており、担当者は「社会で役立つ力を育むといった教育効果を高めていきたい」と意欲。データの解析精度を高め、早期の商品化を目指している。

■手ぶりで素早く

 ソフトウエア開発会社「フェンリル」(大阪市北区)は昨年、バレーボールのデータ分析に特化した動画再生アプリ「VLabo(ブラボー)」を製品化した。見たい動きのみを検索し、連続再生して相手選手の研究や自身の動きの振り返りができる。

 全日本女子バレーボール代表などと連携して開発。動画のこま送りは、指を使ったジェスチャーで操作できる。画面上のボタンを押すのに比べ、手元を見ずに素早く操作できるようにした。動画は共有できるため、チーム内での情報共有や分析も迅速にできる。

 アプリケーション共同開発部の田代収次長(37)は「プロだけでなくアマチュアや学生にも使ってもらい、スポーツにデータを活用する面白さを感じてほしい」と呼び掛けている。