大阪ニュース

精神障害者も対象 4月から障害者雇用義務に追加

2018年3月7日

 4月1日から障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わり、法定雇用率は民間企業で2・0%から2・2%に引き上げられるため、関係機関が周知に努めている。外見上から特性を判別しにくい精神障害者を巡り、基礎知識の研修受講や就労支援施設の職場実習の受け入れから始める手法を紹介。採用を進めている企業からは、個々の長所短所に合わせた対応の重要性が示されている。

80社余りが参加して開かれた障害者向けの就職面接会=大阪市中央区

■まずは受け入れ

 これまでは、障害者雇用義務の対象は「身体」と「知的」だったが、「精神」の就職件数が右肩上がりの中で新たに対象となった。

 精神障害者が仕事に慣れる期間なども考慮。短時間労働の場合、本来の雇用率算定方法では対象者1人につき0・5人分だが、雇い入れから3年以内といった条件を満たせば、1人分に数えられるようにしている。

 府内企業の障害者雇用は、14年連続で過去最多の人数を更新しているものの、2017年6月1日現在の実雇用率は1・92%と法定の2・0%には届いていない。雇用率を達成している企業の割合も45・5%にとどまり、半数以上が未達成だ。

 そこで今回の変更を前に関係機関が周知を強化。2月には、大阪労働局と大阪府が、関西経済連合会に協力を要請した。

 また、府は精神、発達の両障害者の雇用事例発表会を実施。大阪労働局は、両障害者を職場で支える担当者「しごとサポーター」の養成講座を展開しているほか、障害者就職面接会を開き、初めて参加する企業もあった。

 大阪労働局は、精神障害者の雇用についてハードルが高いと感じる場合には、「まずは障害者就労支援機関の職場実習の受け入れから始めてもらえれば」(職業対策課)と呼び掛け、各機関の紹介などはハローワークで受け付けている。

■戦力になる

 すでに精神障害者の雇用に取り組んでいる事業所は、試行錯誤を続けている。

 昨年4月から精神障害者の雇用を始めた大阪市北区の外食企業は、職場定着が課題。人事担当者(38)は「当初は障害が仕事にどう影響を及ぼすのか分からなかった」と振り返る。

 実際に体験しながら工夫。業務に集中して休憩の取り方がうまくできない人には、ずっと座っているのを見たら声掛けをするといった具合だ。「それぞれができる業務を割り当てながら、よりよい対応方法を蓄積している」と話す。

 一方、現在100人以上の障害者を雇用し、精神障害者が3割超というダイキングループの特例子会社「ダイキンサンライズ摂津」(摂津市)。渋谷栄作社長は「障害があっても戦力になる方はたくさんいる」と力を込める。

 弱点と長所を見極め、より働きやすいように環境を整える重要性を強調。「まずは職場のリーダーが、部下の日々の変化をよく見ること」と助言している。