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「100歳までダンス」 踊る高齢者、府内で増加

2018年5月15日

 体を激しく動かすストリートダンスに興じる高齢者が増えている。若者文化をイメージしがちなダンスだが、格好良さや爽快感が生きがいにつながっているようだ。大阪府内で盛り上がる“踊る高齢者”を追った。

爽やかな笑顔でダンスを楽しむ参加者たち=和泉市肥子町2丁目のイオン和泉府中店

■介護予防に効果

 「イエーイ」―。和泉市内のスタジオに、アイドルソングやディスコサウンドに合わせステップを踏む高齢者の掛け声が響く。平均年齢75歳。ひざを高く上げ、頭上で手拍子を打つたびに自然と笑みがこぼれる。「振りは覚えられないけど楽しい」と戸川千都子さん(78)。「階段の上り下りも楽になった」と体調の変化も感じる。

 レッスンは日本ストリートダンススタジオ協会(大阪市中央区)が、60歳以上を対象に関西一円で開催。仲間づくりや介護予防の狙いがあり、約50人の定員は毎回ほぼ満員になるという。

 厚生労働省が2016年に行った介護に関する動向調査結果によると、介護が必要になった要因は「骨折・転倒」「関節疾患」が多い。同協会は、名古屋学院大リハビリテーション学部の佐藤菜穂子准教授とダンスをする高齢者の体調の変化を継続的に調査した。

 佐藤准教授は「ひざの曲げ伸ばしや重心移動のステップを繰り返すことで、足の筋力とバランス能力の向上が見られた」と指摘。介護予防に一定の効果があるとの見識を示す。

■“来世”待てない

 生きがいを求める高齢者もいる。箕面自由学園アメリカンフットボール部(豊中市)OBの母親でつくる平均年齢70歳のチアリーディングチーム「ビューティーベアーズ」だ。

 息子の母校のチアリーディング部が開いた記念公演を観覧した際、一体感のある踊りに興奮を覚えた西本和子キャプテン(74)。「生まれ変わったらチアをやりたい」と思ったが、「“来世”まで待てない」とすぐさまチームを結成。今年で活動17年目を迎えた。

 イメージ通りに高々と上がらない足に湿布薬が欠かせない日々…。それでも立ち上げわずか3カ月で、西日本選手権の公開演技への出場権を獲得した。

 年齢に関係なく演技する姿は話題を呼び、英国やロシアなどで開かれる国際大会にも呼ばれるように。近年ではトリを飾ることが増え、付いたあだ名は「チア界の美空ひばり」。

 チームの目標は「100歳までみんなで続けること」と語る西本キャプテン。「ぎっくり腰とか五十肩とか言ってられへん」