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「情景が浮かぶ演奏会に」屋野晴香ピアノリサイタル

2018年5月16日

 ウィーン国立音楽大で研さんを積んだ兵庫県出身のピアニスト、屋野晴香が6月、大阪市北区のザ・フェニックスホールで帰国後初のソロリサイタルを開く。「19世紀ウィーンへの旅」と題し、「古い建物もたくさん残っていて、タイムスリップしたような気分になれるウィーンの街を感じられるプログラムに」と話す。

「身近にクラシック音楽があって、娯楽の一つとして楽しまれていた」というウィーンから昨年夏に帰国した屋野晴香=大阪市北区の大阪日日新聞

 兵庫県立西宮高音楽科、東京芸術大音楽学部楽理科を卒業し、ウィーン国立音楽大ピアノ室内楽科に留学。大学も大学院も首席で修了し、またウィーン大修士課程音楽学専攻で学術的研究にも取り組んだ。

 帰国後は演奏活動と並行し、全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)ステップ・アドバイザーとして日本全国で後進の育成にあたっている。

 今回のリサイタルは、同ホールが公演企画を公募し、審査で選ばれた企画者にホールや付帯設備を無料で提供する「フェニックス・エヴォリューション・シリーズ」の一つ。

 19世紀のウィーンは、オーストリア=ハンガリー帝国の首都であり、多様な民族性が共存した。20世紀にかけて「美術、音楽、演劇をはじめ、自然科学、哲学、思想など多方面で新しい潮流を生み出し、自由で多様性のある文化の爛熟(らんじゅく)を迎えた」と分析する。

 その流れをピアノ・ソロ作品でめぐるプログラムを用意した。「古典派からロマン派に移り変わる過渡期の作品」という1820年にベートーベンが作曲した「ピアノソナタ第30番」から、1926年にバルトークが作曲した「ピアノソナタ」まで。

 バルトークはハンガリー出身だが、「民族音楽の採集をしていた時期が長く、それを取り入れつつ新しい音響を創造し始める。ベースにはウィーンの音楽・文化の影響があり、入れてみたいなと」。

 ほか、ウィーンの「街の様子を感じられる曲を」と、シューベルト=リスト編曲「ウィーンの夜会」(1852年)▽シューマン「ウィーンの謝肉祭の道化」(39年)▽ショパン「ワルツ第5番」(40年)。そして「世紀末のウィーンを思い起こさせる」というブラームス「6つの小品」(93年)。

 演奏だけでなく音楽学の視点でトークも織り交ぜていく。長年暮らし魅(み)せられた街の空気を運ぶべく、「いろんな情景が浮かぶような演奏会にしたい。皆さんそれぞれ自由に発想していただけたら」。

 9日午後3時開演。前売り3千円、当日3500円ほか。問い合わせは電話06(6363)7999、チケットセンター。