連載・特集

あきない見聞録

メタル・ファブリック 新規展開へ

 長谷川金網製作所   
(松原市大堀5丁目)
■代表者 長谷川真司
■住 所 松原市大堀5の1の8
■電 話 072(338)4001
■URL http://www.hasegawa-kanaami.com/
2011年5月24日

デザイン重視“金属の織物”

数十ミクロンのステンレス糸を用いて緻密に素材を織り上げていく自動織機

 金網の製造、加工を手がける「長谷川金網製作所」は、数十ミクロン単位のステンレス糸を用いた、ハイメッシュの金属製品を出荷している。今年に入ってからは“金属の織物”を意味する「メタル・ファブリック」を商標登録し、従来の製品に型押しや着色をほどこすなどデザイン性を重視。インテリア商品として新たな展望を開いている。

 金網の加工は、野球場のバックネットやバーベキューなどに使われる目の粗いものから、液体から固形分を取り除くストレイナーやフィルターなどに用いる目の細かいものまで多岐にわたる。工場を置く松原市では、金網製造が明治以来の地場産業であり、河内木綿加工の技術を生かした工程で発展してきた経緯がある。

 中でもハイメッシュ素材を取り扱う同社では、自動織機で織り上げたものを反物の状態で出すのがメーンだ。売り上げの半数近くを自動車産業向けに卸しており、主に不純物を取り除くためエンジンに組み込まれるオイルフィルターとして使用される。また、印刷、食品の分野では、液体の充填機に活用されており、新聞などの印刷物に適量のインクをにじませる輪転機では、分量調節の際に繊細さが要求される商品でもある。

 1968年の創業以来、順調に推移してきたが、自動車関連がメーンユーザーであることから、リーマン・ショックに端を発する2008年の世界的な同時不況に際しては、同社も少なからず痛手を負った。それでも、回復を果たしてきた中で長谷川真司社長(40)は「パイを食い合うのではなく、新しい市場で他社とも共存していきたい」と新たな挑戦に取り組んだ。それが「メタル・ファブリック」だ。

 イメージは、照明のカバーやいすとしてオーダーメードで加工し、美容室などのサロンでの用途を念頭に置く。ほかにも、カーテンやパーテーション、コースター、ランチョンマットなど生活雑貨として新たに重厚感を出すことにこだわっており、興味を示す通信販売大手とも盛んに意見交換を図っている。

 量販店で扱う商品との差別化など、越えなければならないハードルは多い。商品開発やマーケティングなど各所で試行錯誤が続くが、長谷川社長は「一般の人の目に留まれば」と期待を込める。今秋に出品予定の展示会に向けて、金属を「布」に見立てた素材の可能性にかけている。


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