あきない見聞録

大切な思い出のプリント写真 防災と相続

スマイル・シェアリング
■代表者 樋口智久
■住 所 大阪市中央区南船場2の10の28 下村ビル4階
■電 話 06(6282)7670
■URL http://smile-sharing.co.jp/
2014年7月29日

データ化、オンライン納品

プリント写真のデジタルデータ化のサービスなどを展開する

 デジタルカメラがすっかり定着し、写真データをCDなどの記録媒体に残すことが一般化する中、フィルムカメラで撮影し、アルバムなどに残る大切な思い出のプリント写真をデジタルデータ化するサービスを行っている。東日本大震災をきっかけに「思い出の防災対策」の大切さも訴える。

 社長の樋口智久さん(43)は、会社員時代にはウェブコンテンツの管理などを手掛けていた。起業のきっかけは、自宅で子どもの写真をデジタルフォトフレームに入れて楽しんでいた時、長女から「私が生まれたころのはないの」と聞かれたこと。

 長女が生まれたころはまだプリント写真しかなく、写真を1枚1枚スキャナーで取り込むことにしたが、こうした作業は手間がかかるもの。だが樋口さんは「これって商売になる」とひらめき、2011年1月、同社を立ち上げた。

■バックアップ

 その2カ月後に東日本大震災が発生。津波の被害で泥のついたままの写真をデジタルデータ化する依頼を受けた。海水にさらされた写真はそのままにしておくと、海水に含まれていたバクテリアの影響で劣化が進む。

 届けられた写真を1枚1枚洗って乾かし、スキャナーで保存。依頼者からは喜ばれたが、この時の体験から「思い出の防災対策」をキーワードに掲げる。写真をSDカードなどに保存し、非常用の持ち出し袋に入れてもらうことで「思い出のバックアップを」と呼び掛ける。

■高齢者を照準

 また起業当初は30〜40代の女性をターゲットとしていたが、高齢化社会の進展の伴い、「思い出の遺産相続」と銘打った新たな展開も。高齢者向けに昔の写真のデジタル化や、残された家族向けの「遺産整理」の一環として、プリント写真をデータで残すことも勧める。

 樋口さんは特定非営利活動法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構の「デジタル・アーキビスト」の資格を所有。同法人はデジタル化の知識や技術、プライバシーなどの法的知識をもとに各種情報の記録などを担うことができる技術があることを証明する。

 写真という重要な個人情報を扱うため、顧客の写真データの混在を防止するため、一つの作業工程が終わるまでは、別の顧客の写真データを取り扱わないなど、細心の注意を心掛ける。

 昔の恋人の写真をデジタルデータ化してオンライン納品し、写真の原板の処分まで請け負う新たなサービスも始めた。「思い出アーキビスト」として質の高いサービスを提供するものの「事業が安定しないのが悩みの種」と課題を語る樋口さん。対策として今後は法人向けの展開も視野に入れる。


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