鹿野往来に思いはせ 鳥取・豊実と東郷地区連携 歴史探訪ウオーク満喫

 鳥取市の豊実地区と東郷地区に伝わる「鹿野往来」について学ぼうと、「鹿野往来歴史探訪ウオーク」が開催された。時折雨が降る中、30人の参加者は、地元の4人のガイドが交替で街道の各スポットを個性豊かに紹介する説明に耳を傾け、元気いっぱいウオークを楽しんだ。

 ウオークは、豊実地区まちづくり協議会と豊実地区公民館、東郷むらづくり協議会と東郷地区公民館、とっとりリーダーアカデミーが主催。

 鳥取城の擬宝珠(ぎぼし)橋から出発し、千代川を渡る鹿野往来のうち、同市本高から野坂地区までの一部街道筋だけでも多くの人に知ってもらおうと計画した。

 参加者は一里塚(当時は松)付近の本高集会所をスタート。本高集落の山麓側の狭い道を一列に通り抜け、一里塚をわずかに過ぎた場所の「茶屋土居」付近では、当時数件の茶屋がありにぎやかだったのではないかとの説明を受けた。

 立見峠付近では「道標(しるべ)地蔵」「おとん女郎狐(きつね)」や、戦国時代の「多治見合戦」、立見神社も含めて峠周辺の底知れぬ歴史を体感。

 ウオークの後半には、「野坂宿」に差しかかった。同集落街道筋の横を流れる小川が鹿野往来の風情を一層引き立たせ、「道標地蔵」など歴史的に数多い地域の宝を、地元ガイドが熱っぽく詳細に紹介した。

 最後は同市野坂の豊実地区公民館で、市歴史博物館の伊藤康晴学芸員の補足説明や意見交換。戦国時代の「多治見合戦」の電子紙芝居では大きな拍手が送られ、終了間際には豊実名物「おとんじょろいなり」も軽食として振る舞われて全員は大喜びした。

 とっとりリーダーアカデミーの藤原一輝さんは「これまで隣接の二つの公民館が連携したイベントはほとんどなかった。その意味では、新しい取り組みとして喜んでいる」と話していた。

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