多様な書の魅力感じて 鳥取市内3会場で開幕 全国公募書道展「放哉を書く」

 鳥取市出身の自由律俳人、尾崎放哉(ほうさい)の句を書で表現する全国公募書道展「放哉を書く」(放哉の会、新日本海新聞社主催)が10日、同市のとりぎん文化会館など市内3会場で始まった。入選作品など214点が並び、書道愛好家らが定型にとらわれない放哉句と漢字仮名交じりの書の魅力を味わった。12日まで。

 コロナ禍で創作活動に制限もあった中、今年は一般、高校、色紙の各部に218点の応募があった。とりぎん文化会館には、上位入賞作や招待作品を展示。入選作はギャラリー集(つれ)、宝林堂ギャラリーにも展示している。

 一般の部で最高賞の放哉大賞・鳥取県知事賞に輝いた同市江津、松本李南(本名・美由喜)さん(68)の「障子しめきって淋しさをみたす」は、字のリズムを意識し、墨の潤渇や線の太細を盛り込んだ力作。高校の部で大賞を受賞した鳥取東高3年、入江佑香さん(17)の「夜中の襖遠くしめられたる」は、漢字と仮名の絶妙なバランスを保ち、力強く書き上げた。

 自身も出品した同市鹿野町今市の中川真理さん(46)は「同じ句でも個性豊かで楽しめる。特に高校生の作品はエネルギッシュですてき」と笑顔。放哉の会の柴山抱海会長(81)は「良い作品はその人らしい構成や表現、句の解釈が表れている。多彩な表現や面白い工夫をどんどん書に取り入れてほしい」と講評した。

 表彰式は12日午後1時から同館で行う。

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