大胆な構図 愛らしい板画 鳥取で岩垣正道さん個展

 “版画寺”として知られる曹洞宗毎来(まいらい)寺(岡山県真庭市)の住職で鳥取市気高町出身の板画家、岩垣正道(しょうどう)さん(82)の個展が、同市栄町の鳥取たくみ工芸店で開かれている。岩垣さんの人柄がにじみ出た愛らしい板画の数々が来場者を魅了している。22日まで。

 岩垣さんは1976年に毎来寺に住職として入山したのを機に独学で板画作りに着手。「檀家(だんか)へのあいさつに」と般若心経を彫り刷ったのがきっかけで、以降、民芸や抽象とテーマの幅を広げ、寺には約300点の作品を展示する。ニューヨークやロサンゼルスでも個展を開き、評価は高い。

 同展では、シンプルで大胆な構図の愛らしい53点を展示。鳥取とのつながりを意識した「牛ノ戸焼」「尾崎放哉句(寒鮒(かんぶな)を)」、三角や四角を配置した初期の抽象画など多彩な板画が並ぶ。作品や手拭いの販売もしている。

 岩垣さんは「鳥取出身者として古里の人に見てもらえるのはうれしいこと。手作りの素朴な味わいを楽しんでほしい」と話した。

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