聞こえない人の美術鑑賞考える 県立美術館で研修会

 耳が聞こえない人、聞こえにくい人が美術を楽しむための鑑賞プログラムなどを学ぶ研修会が1月31日、倉吉市駄経寺町2丁目の鳥取県立美術館で開かれた。美術と手話プロジェクト(東京都)の西岡克浩代表と和田みささんが講師を務め、参加した学芸員らは耳が聞こえない人や聞こえにくい人への理解を深めるとともに一緒に美術を楽しむ方策について思いを巡らせた。

 西岡代表は2歳の時に耳が聞こえなくなり、補聴器がないとほとんど聞こえないといい「聞こえない人にもいろんな人がいる。人によって手話を好む人、文字を好む人がいて、楽しめるようにするには取り組みに幅があることが必要」と強調。さらに、「聞こえない人、聞こえにくい人、手話通訳者などがともに考え、少しずつ取り組みを図っていけたら」と呼びかけた。

 和田さんは、聞こえない人、聞こえにくい人に困難をもたらす状況や、筆談や口話のポイント、美術鑑賞時の手話通訳者の役割について解説した。

 倉吉博物館の伊藤泉美主任学芸員は「耳が聞こえない人は情報が得られると思い込んでいた。どのような情報を提供するか、何が必要かを考えたい」と話した。

 研修会は県内の美術資料収蔵館で構成する県アートミュージアム連携協議会が主催し、県内の学芸員ら約25人が参加した。

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