◎今週の一推しイベント
【10日(土)】
▽「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器 マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯」(~6月8日、渋谷区立松濤美術館)
欧州最高の磁器の一つとされ、18~19世紀のフランスで国王や王妃、皇帝らに愛されたセーヴル磁器を紹介する展覧会が、松濤で開かれている。
元々は王侯貴族による注文生産だったため、この時代のセーヴル磁器は世界的に現存数が限られているという。華麗な色彩で花模様や鳥、風景を描いた希少な国内コレクション約140点を一堂に集めた。学芸員の大平奈緒子さんは「当時は宝石や金銀ほどに高価であったといわれ、これだけの数の作品に触れる機会はめったにない」と話す。
18世紀初頭、ドイツ・マイセンで欧州初となる磁器の製造に成功。同世紀半ばにフランス国王ルイ15世と寵姫ポンパドゥール夫人が王立セーヴル磁器製作所の設立に尽力し、東洋磁器とは異なる真の欧州磁器の様式がセーヴル窯で確立されたといわれる。この時期に花開いたロココ美術を反映した優美な絵付けと色彩、曲線が特徴。“ポンパドゥールピンク”色のトレー「...