炎や水柱を使った派手な演出や、人気声優の出演など、イメージを覆す新しい取り組みでファンを集める音楽朗読劇「READING HIGH」シリーズ。
2017年のシリーズ開始以来、全作品で脚本や演出を手がける藤沢文翁は「プロの声優たちの技術と音楽の力に視覚的な演出も加えて、見たことのない世界を観客に届けたい」と語る。
英国で演劇を学び、日本で脚本家として活動していた藤沢だが「ドラマも演劇も予算の制約が大きく、アイデアを形にできなかった」。悩んでいた時、人気声優の山寺宏一と出会い「声の可能性」に懸けると決めた。
09年からオリジナルの朗読劇を手がけ、ヒットを飛ばしてきた。「人間の感情が真ん中にあれば、どんなにスケールの大きな物語でも描けるのが朗読劇の魅力」と語る。
これまで山寺のほか、林原めぐみ、宮野真守らが出演。アニメや洋画の吹き替えで活躍する「声のプロ」たちの表現力にも助けられてきたという。「日本には昔から落語などの『声で想像をかき立てる』話芸があり、その伝統の先に花開いたのが現代の声優文化。世界に誇る日本の芸術の一つ」と力説する。
「READING HIGH」シリーズの次回作も、杉田智...