金工芸作家の矢部雅一さんの作品展が、倉吉市秋喜のアート格納庫Mで開かれている。銅や真ちゅうなどを使った不思議な立体造形が並び、訪れた人を作品の世界にいざなっている。11日まで。
矢部さんは埼玉県川越市出身。銅板などの金属板を金づちや木づちなどでたたいて立体に成形する金工芸作家で、鳥取大教育学部教授も務めた。今展では、1976年~2004年に制作された計16点が展示されている。
「Future in the Egg」は、緑青の卵の殻の中に林立する複数の四角柱が溶け出しているように見える作品。「球を包む三角錐(さんかくすい)」は、中から球が出現している三角すいがモチーフとなっている。
岡野稔館長は「作家が展示方法を気に入ってくれたのが何より。多くの作品がそろって見られる機会なので、ぜひ来場してほしい」と呼びかけた。