歌手の橋幸夫さんがアルツハイマー型認知症を患っていることが、所属事務所から発表された。
昨年12月の段階で「中等度」との診断を受けたそうだが、橋さんは現在も歌手としてステージに立っている。認知症公表後のステージではいつも通り、持ち歌を熱唱したという。
また、橋さんにはもうひとつの顔がある。2022年、78歳で京都芸術大学通信教育部の書画コースに入学した大学生でもあるのだ。入学式に出席し「学び足りなかった学生時代をもう一度体験したい」と語った橋さんは、その後もSNSで取れた単位や落とした単位について報告したり、他の学生とともにイベントに参加したり、まさに学生生活を謳歌(おうか)していた。すでに必要な単位はほとんど取り終わり、来春、卒業の予定なのだそうだ。
認知症は加齢に伴って誰もが発症する可能性のある疾患で、その症状も進行も人それぞれ。とくに以前からやり続けてきた仕事や自分が強い興味を持つ趣味、活動などについては、病状が進行してもさほど支障なく取り組めることも少なくない。
昨年12月、政府は認知症になっても希望を持って生きられる社会を実現するための基本計画を閣議決定した。基礎になってい...