吉武英行 五感の旅

名は体を表す・富山

2020年1月27日
富山県は山からさまざまな“富み”を得ている

 富山県には古くから山岳信仰の対象としてあがめられ、日本三霊山に数えられる「立山」がある。

 この山は登山愛好家だけではなく、気軽に大自然を満喫できる立山、黒部アルペンルート(中でもそそり立つ雪の壁の回廊「雪の大谷」は絶景)も人気で、国内外の観光客を喜ばせている。また立山をはじめ、急峻(きゅうしゅん)な山に三方を囲まれた富山平野は、この山々から複数の川が流れ込み、豊富な農作物が育まれている。

 富山県は耕地面積に占める水田の割合が96%と日本一を誇る。水田が広がる砺波(となみ)平野には家が1軒ずつ点在する日本の典型的な農村形態(散居村)という美しい原風景も残されている。さらに、山々に降った雨や雪解け水は伏流水として富山湾の海底からも湧出。沖の景色が反転したり伸びたりする不思議な現象(蜃気楼(しんきろう))や、2000年前の杉の原生林の根株が腐敗せず海中にその姿をとどめている神秘的な「埋没林」も山から流れる水が影響しているという。

 このように「山からさまざまな“富”」を得ている県、それが富山県なのだ。食文化も富山独自という視点で見れば、何といっても海の幸。富山湾は海底から水深が急激に深くなる「ありがめ」という独特な形で、そこに約500種類もの魚介類が生息。「天然のいけす」とも言われる。

 また、富山ブラックラーメン、高岡グリーンラーメン、おかべホワイトラーメン、入善ブラウンラーメンなど、名前だけでは味が想像もつかないものばかりだが、近年はこれら「とやまのカラーフード」というグルメも注目されている。

(ホテル・旅館プロデューサー)


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