吉武英行 五感の旅

高まるバリアフリーの需要 

2020年11月30日
これからの時代はバリアフリーの充実が大切

 年ごとに人口の高齢化が進む日本。十数年前にもこの論議が出た際、各ホテル旅館は競ってバリアフリー化する兆候が見て取れた。そのブーム?以後はバリアフリーについての話題は全くと言って聞く機会はない。

 先日も50歳代の友人から、車椅子の義母を連れた家族旅行の話を聞いた。まず車椅子に対応している旅館を探すのに苦労をしたとのこと。現在の旅行社のパンフレットや旅行ガイドには、館内の段差や廊下の幅までは書いていない。足腰が弱った人たちが楽しめるかどうか、行ってみないとわからない。

 そこで筆者の提案だが、ホテルや旅館のバリアフリー度を、国の介護保険のレベルに合わせて表示してはどうか? 通路の階段の段数、段差、手すりの有無や照明の明るさなどに基準を設け、〇〇旅館は要支援程度、△△旅館は要介護3程度までOKなどといった形でパンフレットに表示されれば、ユーザーがわかりやすいのではないかと思う。

 もっとも苦労するのはお風呂だ。湯船への出入り(出し入れ)が大変で、また洗い場でも介護用の椅子がない。介護用の椅子は持ち運べるので、旅館に何脚か備えて、希望に応じて貸し出してくれればありがたいと思う。湯船の出入りは健常者にとっても高くない方が入りやすいし、手すりはぜひほしいものだ。

 利用者はゆったりと心地よい時間を過ごせるなら、それなりの出費も覚悟している。1泊数万円の旅館でも、スペックが充実していれば先々まで予約がいっぱいというのがその証明であろう。中高年、特に高齢者を伴ったユーザーを満足させる快適な宿泊の提供と、旅館やホテルにとってのビジネスの接点をぜひ見つけてほしい。

 (ホテル・旅館プロデューサー)



サイト内検索