台風7号 但馬地域、香美町に被害集中 矢田川氾濫で家屋浸水など

 15日から16日未明にかけて近畿地方を縦断した台風7号により、但馬地域は記録的な大雨に見舞われた。神戸地方気象台によると、16日午後3時までの48時間雨量は、温泉で258・5ミリ、兎和野高原で257ミリ、八鹿で280ミリと、いずれも8月の観測史上最大を記録。美方郡で人的被害は確認されていないが、家屋への土砂流入や冠水などが相次ぎ、16日は早朝から住民や行政関係者らが復旧作業に追われた。

 被害は香美町に集中。15日は町内全域に最も高い警戒レベル5の避難情報「緊急安全確保」が発表されたが、同日午後10時に解除。同レベル3の「高齢者等避難」も16日午前3時37分に解除された。村岡区和田の3世帯5人にのみ、避難指示が出ている。同町がまとめた被害状況は、床上浸水27世帯(香住区間室24、油良3)▽床下浸水(香住区七日市で複数世帯)▽ブロック塀崩落・土砂流入(村岡区和田3世帯)▽土砂崩落(小代区神場、野間谷各1世帯)▽車両水没(香住区三谷2台)-となっている。

 同町を流れる矢田川の水位は、15日午後2時で2・63メートルだったが、2時間後に氾濫危険水位(4・1メートル)を大きく上回る5・74メートルに達した。町災害対策本部によると、急激な水位上昇で支流の美の谷川の水が行き場を失い、間室や油良での床上・下浸水につながったと分析している。

 新温泉町浜坂でも6件の床下浸水があった。

 交通機関も乱れ、JR西日本は16日、大阪から香住、鳥取を結ぶ特急「はまかぜ」などを一部運休。山陰線の福知山-浜坂間も同日午後3時45分まで運転を見合わせた。

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