郷土の宝、守り継ぐ 法勝寺電車100年記念 客車展示場前で小松谷盆踊り

 かつて米子市-南部町間で運行されていた旧日ノ丸自動車法勝寺鉄道(通称・法勝寺電車)の開通から100年となるのを記念し、客車展示場が設けられている複合施設キナルなんぶ(南部町法勝寺)の広場で、いずれも鳥取県指定文化財となっている法勝寺電車と小松谷盆踊りのコラボレーションイベント「悠久の電車と盆踊りの夕べ」が開催された。ライトアップされた展示場前で一斉踊りが行われ、町民らが郷土の宝を守り継ぐ思いを新たにした。

 法勝寺電車は1924年から米子町-法勝寺間の12・4キロ(支線を除く)を運行し、マイカーの普及に伴い67年に廃線となった。旧法勝寺駅近くの同施設にはデハ203号電動客車が展示されており、節目の年に文化財への理解を深め、保存や承継につなげようと実行委員会が企画した。

 展示場では白色の発光ダイオード(LED)約20個が客車をライトアップ。かつて通学で利用したという同町法勝寺の堤一真さん(79)が「みんなで車体を押して坂を上がったのが懐かしい。法勝寺電車は地域の生活改善や経済活性化にも寄与した」と振り返った。

 会見小松谷盆踊保存会の赤井歳恵会長も、約600年受け継がれてきた小松谷盆踊りの歴史を紹介し、町民らは保存会員とともに盆踊りに挑戦。国立音楽院南部校有志による音楽会や青年団らの屋台出店もイベントを盛り上げた。

 田中正夫実行委員長は「若者も多くにぎやかで大成功だった。これを機に電車と盆踊りを知り、大切な宝物だと思ってもらえれば」と述べた。

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