おしゃべり弾む高齢者の居場所 鹿野 「き楽」が1周年

 昨年10月にオープンした鳥取市鹿野町鹿野(大工町)の高齢者の居場所「き楽」が、1周年を迎えた。同町の岡田厚子さんを中心とした大工町の仲良しグループが、以前岡田さんが営んでいた食料品店の広い玄関と、8畳の居間を開放し、毎週水曜日の午後にオープンしている。

 岡田さんたちは、高齢者の孤立や巣ごもりを心配し、人と関わることで心配事を解消したり、おしゃべりすることで少しでも笑顔になってもらいたいと、オープン当初は近所の高齢者から声をかけた。

 新型コロナ禍でどこにも外出できなかった高齢者が次々と集まり、今では遠くから訪れる高齢者も多い。オープンまでに和気あいあいと手作りのケーキやお菓子、ドリップコーヒーを用意し、来店した人はコーヒー代を少しずつカンパしながら運営している。

 毎週平均7、8人が訪れ、コーヒーやお茶を飲みながら世間話や近況を語り笑みがこぼれる。頑張っている高齢者の切り絵や写真、パッチワークなどの作品の展示も同時に行い、来場者を楽しませることから遠方から訪れる人もあった。

 近所に住む平野喜久代さん(76)は「運転できないので、どこにも行けない。毎週水曜日に、ここに来るのが唯一の楽しみ」と笑顔。代表の岡田さんは「冷房設備がなく、猛暑で開店できない期間があったが、たくさんの人が来てくれた。これからもみんなと無理をせず続けていきたい」と話した。

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