閉店したトスク若桜店(若桜町若桜)に替わり28日にオープンしたエスマートわかさ店。地域の食生活を支えるインフラとしての役割のほか、住民の交流の場や雇用の受け皿としての機能も果たす。トスク閉店により取引が途絶えた鳥取県東部の事業者にとっては新たな販売先となるなど、地域の経済活動を持続させるよりどころとしての存在感は大きい。
エスマートわかさ店では地元在住者を中心に、トスク若桜店に勤務していた5人の雇用が引き継がれた。そのうちの一人、橋本真由美さん(40)=八頭町島=は「人が温かくて、顔なじみも多い。地域に根付いたスーパーで働ける喜びを感じる」と話す。開店準備中も常連客から声をかけられ、開店への期待と、住民とのつながりの深さを実感したという。
トスク全店閉店の影響を受けた納品業者の期待も大きい。食品卸業の徳田商店(鳥取市南安長2丁目)はほぼ毎日、水産物を納品することとなった。他の納品業者19社との共同配送により物流コストを抑える新たな取り組みも始まり、徳田豪社長は「トスク閉店分をまかなえるわけではないが、新しい取引が始まってよかった。これからがスタート」と気を引き締める。