現在、放送中のNHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」の脚本を務める、映画監督で脚本家の足立紳さん(51)=鳥取県倉吉市出身=が1日、母校の鳥取中央育英高(同県北栄町)で講演した。足立さんは「壁にぶつかってもいつか終わる。壁を乗り越える必要もない」と自身の経験を基に生徒にエールを送った。
講演会は、同校の創立記念事業として実施した。
足立さんは、高校時代に学園祭で演劇を作った思い出を披露。映画やドラマ制作では、人の駄目な部分も描いているとし「世の中、駄目な人もきちんとした人も共存し合い、雑多な人間が生きているということを伝えたい」と強調した。
壁を乗り越える方法を問われ、「(自身は)失敗を繰り返し、乗り越えた実感を得ずに大人になった。失敗が重なるけど、生きていられなくなる失敗はない」と助言。「壁にぶつかってぺちゃんこになっても生きていける。うやむやにする強さを身に付けると、人生が楽しくなる」と説いた。
「ブギウギ」のモデル、笠置シヅ子さんについては「厳しい状況を生きた人だが、悲しみをユーモアで包み、ごろごろ転がりながら生きていく生きざまに感銘を受けた」と語った。