倉吉市のたすく手織工房の吉田公之介さん(67)の織展が、同市宮川町のコミュニティプラザ百花堂で開かれている。新匠工芸会展の第72回(2017年)と第77回(23年)で最高賞の富本賞を受賞した作品が展示され、大作を一目見ようと訪れる吉田ファンでにぎわっている。12日まで。
受賞作2点のほか、鮮やかなオレンジ色が目立つ「疾風怒濤(どとう)」、父たすく(1922~87年)が伝書を解読し復活させた風通織(ふうつうおり)の着物「皓皓(こうこう)」など7点を展示している。
第77回受賞作「朝明の稔り」は、左の暗い部分で夜がまだ明けない時間帯を、右側の明るい部分で大地に実った穀物を収穫できる喜びを表現。自分はまだ左側にいて、右側の状況になってほしいという願いが込められているという。吉田さんは「紛争など世界情勢に対し、反戦の意味も込めた」と話した。