米子市皆生温泉の旅館街に13日、体験型の観光施設「KAIKEテラス」がオープンした。陶芸や織物などの伝統工芸が体験でき、山陰各地から取り寄せた工芸品を販売する。天ぷら店とシミュレーションゴルフ店も併設された複合店舗。観光客がそぞろ歩きの途中で立ち寄りやすい、新たなスポットが皆生に誕生した。
同市皆生温泉4丁目の元旅館敷地に、県西部を中心に葬祭業を営む「ピアベール」(重田有美子社長)が延べ床面積560平方メートルの平屋の施設を完成させた。
地元の法勝寺焼皆生窯の陶芸、弓浜絣(ゆみはまがすり)の織物などが体験できるほか、皆生窯や鮮やかなブルーの色彩が特徴の石州亀山焼(島根県浜田市)の皿や器、弓浜絣の名刺入れ、髪留め、卓布、因州和紙グッズなど約500点を販売する。外のテラス席を含めて、周囲より一段高い場所に配置されたカフェでは、特別なブレンドのコーヒーも楽しめる。
13日は米子市の伊木隆司市長も駆けつけ、「土産、飲食、体験など宿泊客だけでなく市民が楽しめる施設で、皆生の魅力が大きく向上した」と祝った。ピアベールの重田紀生会長は「伝統的な品を各地に持ち帰り、使ってもらいたい。皆さんが立ち寄り交流する場にしたい」と意気込みを語った。