国内有数の水産基地・境漁港の鳥取県営境港水産物地方卸売市場(境港市昭和町)で5日、今年初めての競りがあり、場内に競り人の威勢のいい声が響いた。境漁港は昨年の水揚げ金額が27年ぶりに240億円を突破し、関係者は今年の豊漁に期待を込めた。
初競りは午前5時半に始まり、近海で取れたヒラマサやヒラメ、サワラ、タイなどの魚介類を仲買人が次々と競り落とした。
競りに先立ち、境港魚市場の山本貴弘社長が「昨年は新型コロナからの脱却と水産物の消費拡大を実感した。今後も境港の発展に貢献したい」とあいさつ。境港鮮魚仲買協同組合の島谷憲司理事長は能登半島地震に触れて「石川県は同じ日本海側で出荷先としても大きなシェアを占める。できるかぎりの協力をしたい」と述べ、山本健也県境港水産事務所長の音頭で約100人が三本締めをした。
市が公表した速報値によると、境漁港の昨年の水揚げ量は前年比14・4%増の12万トン、水揚げ金額は同13・0%増の245億2千万円だった。