影響与えた農業系インフルエンサー 徳本さん(気高)佳作 世界最大農業イベントで受賞 「守るため発信」飛躍誓う

 鳥取市気高町飯里の農業法人「トゥリーアンドノーフ」代表取締役の徳本修一さん(48)が、昨年11月にドイツで開かれた農業機械展「アグリテクニカ」で、最も影響を与えた農業系インフルエンサーに贈られる「DLGアグリインフルエンサーアワード・ユーチューブ部門」の佳作を受賞した。表彰式にも出席し世界各国の農家と交流。「日本の農業を守るため発信を続けたい」とさらなる飛躍を誓う。

 アグリテクニカは、ドイツ農業協会(DLG)が1985年以降、2年ごとに開催する世界最大の農業イベント。コロナ禍を経て昨年11月に4年ぶりに開かれ、日本を含む世界各国から47万人が来場した。

 徳本さんは鳥取市内で約100ヘクタールにおよぶ農地を借り受け、米や飼料作物を中心に大規模農業を展開している。「農業について正しい議論をするためには正しい情報が不可欠。肌で感じた農業の現実や課題を知ってもらいたい」と、動画投稿サイト「ユーチューブ」で活動を発信し、農業ユーチューバーとしても注目を集めている。

 高齢化が進む中山間地の農業の担い手不足や耕作放棄地問題、国の政策方針とのギャップ、最新の農業機械、農薬にまつわる話など深刻な問題も楽しく紹介し「持続可能な農業に向けた取り組みや情報発信が評価された」と徳本さん。

 歯に衣(きぬ)着せぬ言葉や疑問の投げかけは時に反論を買うこともあるが、「揺るぎない信念を貫いたことで周囲からも徐々に理解されるようになった」という。

 徳本さんは地元鳥取で5年間消防士の経験を積んだ後、東京でタレントのマネジャーや歌手活動などにも挑戦したユニークな経歴の持ち主。ITベンチャー企業の立ち上げに参画したのを機に有機農業と出合い、2012年4月、Uターンして同法人を設立した。

 「農業を次世代に引き継ぐためにも、農家自身がテクノロジーも含めて課題や問題点を発信するのが大事。世界で一番、影響力のある農家になる」と意気込んだ。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事