カンボジアの子供たちへ 鍵盤ハーモニカ届けたい 宮本さん(岩美) 県内小学校に提供呼びかけ

 小学校を卒業した子供たちの使わなくなった鍵盤ハーモニカを集め、カンボジアの子供たちに役立ててもらおうと、海外ボランティアの経験がある宮本晶夫さん(73)=岩美町岩常=が活動を始めた。初年度の今年は県内の小学校から140台が寄せられた。秋にも現地の教育支援団体に引き渡され、音楽教育に役立てられる。

 宮本さんは2017年から19年にかけて、国際協力機構(JICA)シニア海外ボランティアとしてカンボジアに渡り、下水道施設の維持管理を支援した。その際、現地で小学校の音楽教育に携わる日本人ボランティアの活動を通じ、電気が使えない学校の音楽教育や教員養成の場で、簡単に使える鍵盤ハーモニカが重宝されていることを知ったという。

 帰国後、現地では鍵盤ハーモニカの数が足りていないと仲間から聞き、地元の岩美町内の3小学校の卒業生に呼びかけて、要らなくなった物を集めてカンボジアへ送ることを決めた。宮本さんは「日本の子供たちが勉強で使ったものでカンボジアの子供たちも音楽を学ぶことができれば素晴らしいと考えた」と話す。

 準備を進める中で、活動を知った知人の協力を得て、提供呼びかけの輪は鳥取市内の5校、境港市内の2校にも広がった。集まった鍵盤ハーモニカは、カンボジアで教育支援活動を行う団体、アナコットカンボジアを通じて地方や遠隔地の小学校へと届けられる。

 宮本さんは「思い出が詰まった学用品がカンボジアで再び活躍し、大きな役割を果たすことを知ってもらい、これからも協力をお願いしていきたい」と話している。

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