希少なチョウ「ウスイロヒョウモンモドキ」 生息地環境整備に汗 保護の会会員やボランティアら 野生復活へ活動開始

 環境省の絶滅危惧種に指定されている希少なチョウ「ウスイロヒョウモンモドキ」の野生復活に向けたプロジェクト活動が、鳥取市佐治町で始まった。20年前から保全活動に取り組む「余戸地区ウスイロヒョウモンモドキ保護の会」(谷上正樹会長、25人)と、3月に保全活動の協力協定を結んだばかりの建設業「田中工業」(同市秋里、安部裕子社長)の社員や仲介した鳥取銀行の行員、地元大学生らが活動に参加し、生息地・三原台の環境整備に汗を流した。

 野生復活を目指すプロジェクトは環境省も加わり本年度から始動した。保護の会は会員の高齢化が進んでおり、片道1時間の三原台への登山や資材搬入など人手不足や力仕事に悩んでいた。活動初日の7日には、ボランティアを含めて90人が参加し、プロジェクトの活動を後押しした。

 同保護の会、谷上正樹会長(73)は「いろんな方々に集ってもらいご縁に感謝。安全第一で、来年再来年も引き続き協力をお願いします」とあいさつ。参加者は雄大な三原台の草原の周囲に、シカの食害から守る獣害防護柵やネットの設置作業に取り組んだ。また集落近くのほ場では、チョウのえさとなる吸蜜草「オカトラノオ」と食草「オミナエシ」の種をまいた。

 参加した田中工業の社員、広坂守衛さん(46)は「資材を担いでの登山がこんなにきついとは思わなかった。7月の次の活動も楽しみ。チョウ復活に貢献したい」と話した。

 ウスイロヒョウモンモドキは全国でも生息が確認されていたのは10カ所程度。鳥取県でも県野生絶滅種に分類され、佐治町の三原台にも生息していたが約7年前から姿が見られなくなっていた。

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