JR米子駅のリニューアルから29日で1年を迎えるのを前に、旧駅舎にあった店舗で親しまれてきた“駅そば”が期間限定で復活した。駅前のだんだん広場に設置されたキッチンカーには連日、多くの人が立ち寄り、懐かしい味を求めて行列をつくっている。
旧駅舎の改札横にあった「駅そば・吾左衛門店」は1979年にオープン。4年前に駅舎の建て替えに伴って閉店するまで、駅を利用する人たちに親しまれてきた。
閉店後も復活を求める声があったが、駅リニューアルから1年がたつのを機に、店を経営していた米吾(米子市)が今月21日から8日間限定で復活させた。
押しずしの吾左衛門鮓(ずし)が2切れ付いた「そばセット」など、当時の看板メニューを価格はそのままに提供。ノドグロやトビウオのだし入りつゆも当時の担当者らが再現した。
キッチンカーの前には、懐かしい味を求めて市民や鉄道ファンが連日足を運び、駅舎で食べた当時の思い出話に花を咲かせる。
閉店まで10年以上、仕込みと販売を担当し、味の再現にも関わった同社の香田千瑞さん(67)は「思った以上の反応でファンの多さを感じている。懐かしい味にぜひ触れてほしい」と話していた。