雪月花3部作見応え 大広重展~東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界

 米子市美術館で開催中の「大広重展~東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界」(米子市、新日本海新聞社など主催、山陰酸素グループ特別協賛)では雪・月・花で演出された風景画が並ぶ。晩年の名品として知られる木曽路の雪景を描いた「木曽路之山川」などが来場者を魅了している。

 「木曽路之山川」は、歌川広重が亡くなる前年に手がけた大判錦絵3枚続き(縦58センチ、横99センチ)の作品。雪に覆われた山々と木曽川の自然が鳥瞰(ちょうかん)図として壮大に描かれている。併せて展示されている金沢の月景を描いた「武陽金沢八勝夜景」、阿波鳴門の渦潮の波頭を花に見立てた「阿波鳴門之風景」と共に雪月花の3部作を意図したものといわれている。

 鑑賞に訪れた鳥取大医学部2年の竹本紬さん(21)は「この絵(木曽路之山川)は気合が入っていると思った。寂しい感じもするが力強い」と感想を語る。同美術館の青戸貴子副館長は「目を凝らすと人の姿も描かれている。粋でユニークな広重の世界を堪能してもらいたい」と話した。

 同展は22日まで。13、20両日の午後2時から学芸員のギャラリートークがある。(久保田恭子)

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